2014年は怪獣ゴジラの生誕から６０周年で、ハリウッド映画でリメイクされた”GODZILLA”は各国で記録的な大ヒット。
そんな「ゴジラ」や「ウルトラマンシリーズ」を生み出した“特撮の神様”円谷英二監督は、福島県須賀川市で生まれ育ちました。2011.3.11より復興が進む中、福島県に住む私たちが忘れてはいけない、知っておいて欲しいメッセージが『ゴジラ』作品の中にあります。だからいま改めて『ゴジラ』に込められた監督の意図・メッセージを辿ります。

いまさら聞けない『ゴジラ』とは？

ゴジラが誕生した1954年当時は、ビキニ環礁の核実験が大きな社会問題となっていました。第1作“水爆大怪獣映画”『ゴジラ』はこの問題に着想を得て製作されました。キャッチコピーは「核の落とし子」、「人間が生み出した恐怖の象徴」など。核兵器という、人間が生み出したものによって放射能を浴びた卵が変化し誕生した怪獣が、人間社会を壊滅状態にし、あげく人の手で葬られる。『人類の身勝手さや愚かさ、大自然の怒り』を表現した作品となりました。今もなお核のコントロールは、人類の未来への『負の遺産』として研究され続ける課題となっています。

『ゴジラ』のエネルギー源は？

「核物質」をエネルギー摂取するため、本能により原子力発電所へ導かれて驀進（ばくしん）するよ。

『ゴジラ』は人類の敵？味方？

誕生当初のゴジラは『恐怖の象徴』、『破壊神』として登場。暗雲の中の雷は光龍の如く見え。とどろく轟音はさながらゴジラの咆哮の如し。『ゴジラ』とは、自然エネルギー・脅威そのものかも知れません。

『円谷作品』に会えるスポット

須賀川市・・・市内の各所に、円谷英二監督の作品にまつわる観光スポットが点在するよ。また６ヵ所の郵便局では全６種類のウルトラマン風景印がGETできるよ。

福島市・・・「モスラの歌」を作曲した作曲家・古関裕而氏の記念館がある他、駅前にはモニュメントもあるよ。

【特撮の神様】に福島空港で出会えるよ♪

1901年、福島県須賀川市に生まれた円谷英二監督。世界に誇れる特撮技術を生み出し、『ウルトラマンシリーズ』、『ゴジラ』などの世界的な作品を世に送り出した傑物です。福島空港では年間を通じて円谷プロの作品にちなんだ企画を開催しており、今回の企画展は円谷英二監督その人と特撮技術にスポットを当てたもの。意外な遊具を発明していたり、撮影所での貴重なシーンが見られたりと、ファンなら必見！クイズあり、スタンプラリーあり、体験コーナーあり！さあ、キミは何を撮る！？

光の町を支える【影の立役者】

円谷英二監督の出身地・須賀川市の有志団体、『サークルシュワッち』。円谷プロと協力して、長年「ウルトラファミリー大集合」などの催しを実現。監督の功績と魂を後世に伝えるべく、早くからキャラクターで町の活性化に取り組んでいる。

１９８５年頃から、円谷英二のふるさとである須賀川市の青年達が、「ゴジラシティ構想」をぶち上げる。空港の誘致が決まり、観光を強く意識した運動だった。乙字ヶ滝に「ゴジラの卵発見」、「ゴジラロックコンサート」、宇津峰山隣の東山に「ゴジラのシルエット」を点灯、など立て続けに仕掛けた。青年会議所メンバーが主体であり、世代的にゴジラのインパクトが巨大だった。
次いでゴジラの洗礼を受けつつウルトラマンで育った現在40～50歳代のメンバー達は、円谷プロダクションとの連携を深め、「サークルシュワッち」を結成、１９９９年第１回「ウルトラファミリー大集合」を開催、以降「ウルトラマンの力で、子供たちに夢を」と、ほぼ毎年この「ウルファミ」を続け、「ウルトラマンに会える街づくり」として様々なイベントにヒーローや怪獣を登場させて来た。昨年、須賀川市とM78星雲光の国との姉妹都市提携が交わされ、いよいよ行政が大きく関わる市民活動になりつつある。現在22人いる「シュワッち」メンバーの目標は、一貫して英二さんの、創造力、技、夢の力を子供たちに伝えることである。
１９５４年の「ゴジラ」は、核戦争の危機を背景に、荒唐無稽とも言える設定によって、現代文明を正面から見据えた作品になったと思う。映画づくりに携わった様々な人々の情熱が結実したもので、英二さんがこれに形を与えたことは大きい。現実を正面から、大きく俯瞰して見ることによって、未来を切り開く力を、子供たちに示せるようにと願い、活動を続けている。

【モスラの歌】は福島生まれ

明治42(1909)年、福島市に生まれた古関裕而氏は、戦前～戦後にかけて5000曲にも上る楽曲を作りました。『郡山市民の歌』や夏の甲子園で馴染みのある『栄冠は君に輝く』の作曲者であり、『モスラの歌』も古関裕而氏なんですっ！！
※ゴジラ映画の第４作目中で歌われています。
あなたの好きな野球チームの応援歌、テレビやラジオでいつか耳にしたあの曲はもしかしたら氏の曲かも？というくらいに広く親しまれている楽曲を生み出しました。記念館には直筆楽譜をはじめ、愛用の品が数多く展示されています。