~和敬清寂のこころ~ 和敬村塾より生徒作文のご紹介

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千利休 茶道理念 和敬清寂(おもてなしの心)

芳山(こおりやま) 温故 和敬村塾

茶道裏千家教授 塾長 浜津 宗巌

塾長より、一言述べさせていただきます。今回ご紹介するのは当塾生にして、当時の安積小六年生の女子生徒による作文です。そこで、平成27年1月に、郡山市文学の森資料館主催の郡山市立小学校作文コンテストにて、特選作品として掲示された作文です。それは利休茶道理念である「和敬清寂の心」と題して原稿用紙五枚にまとめられた作品でございます。

茶道を習い始めて三年、お稽古の体験のもと、彼女なりに茶の道は「おもてなしの心」。これぞ日本古来の精神文化。彼女達の将来は、高校・大学・そして海外留学など、国際交流の時代において社会貢献できる日本古来の伝統文化を信じ、これからもお稽古を続けてまいりますと、そして茶道を習って良かったという彼女の将来について頼もしく受けとめたいと思います。今の時代にこそ、子供たちに茶道をと願うところです。
それから殿方の皆様へ。此の度の当「和敬村塾」の運営について一言。古来、茶の道は殿方の世界であります。私達は本来の茶とは?と問い続けてまいります。決して堅苦しいものではありませんので、どうぞご一緒に茶道を楽しんでみませんか?

合掌

和敬村塾

和敬清寂のこころ 安積小学校 六年生 P.N 渡(わたり) 木の実(このみ)

2013年9月8日早朝、2020年オリンピック開催地が東京に決まりました。私は嬉しくて、大きな声で「お母さん、お母さん起きて!」と、まだとなりでねていたお母さんの背中を強くたたきました。そのオリンピックが開催される時、私は高校三年生です。オリンピックを自分の国で生で観戦出来るかもしれないと思うだけで、私は楽しみで仕方がありません。

そして、2013年の流行語大賞には「お・も・て・な・し」という言葉が選ばれました。これは、東京オリンピック誘致を主張する時に使われた言葉です。子供から大人、ありとあらゆる立場の人が面白おかしく、この「お・も・て・な・し」という言葉を使っていました。でも、流行語だけで終わってしまって良いのでしょうか。

私は、小学三年生の時から、近所で茶道を習っています。習い始めたきっかけは、自分で点てたお茶を味わったり、人に点ててあげたりしたいと思ったからです。教えて下さる先生は八十才のおじいちゃん先生です。茶道を習い始めてから、今年で三年になりました。私は茶道を習って考えられるようになったとても大切な事があります。それは、「和敬清寂の心をどんな時でも忘れない。」という事です。私は、習い始めた頃、和敬清寂とはどんな意味の言葉なのか全く分かりませんでした。でも先生は、おけいこのときに教えて下さいます。

「和敬清寂」というのは、茶道の全てを短く表す言葉だけれど、世の中の人々が日々の生活を、平和で穏やかに、そして明るく過ごしていくためのヒントがたくさんつまった言葉なのですよ。」と。

『和』は、誰とでも分け隔てなく仲良くすること。差別なく接する。いくら仲が良い人でも、悪い行いはきちんと注意して、良い方向へ導くこと。

『敬』は、相手を尊敬し、敬うこころを持って接すること。

『清』は、見た目の美しさだけではなく内面のこころの美しさが大切。そのこころを大きく育てて立派な人になること。

『寂』は、どんな時も冷静さを失わず、どんな状況でも動じない強いこころを持ち続けること。

この和敬清寂のこころで相手のために、心をこめてお茶を点てて召し上がってもらい、喜んでもらう事が最高のおもてなしなのですよ。」

と教えて下さいました。私は、和敬清寂という言葉が強く心にきざまれました。一文字、一文字の持つ言葉の意味と言葉の重さ。私はお茶を点てる時、この言葉を心の中に忘れないようにしています。一つ一つの所作をする時、常に、お茶を召し上がっていただく人の事を考えています。もし、何も考えず、お茶を点てたとするならば、それは、どんなに高級な値段の高いお茶やお道具であっても、お客様に対してのおもてなしではないと考えます。

そこで、私は考えました。2020年世界中の人々の心に残るオリンピックを開催するためには何が必要か、私達には何ができるのかと。人々の心に残るオリンピックを開催するには、まず初めに、各国の言葉や文化、宗教、その国の風習を理解しなければならないと思います。それは、オリンピックの時だけでなく、ふだんの生活でもとても大切な事だと思います。毎日同じ時間帯に同じ番組を、5分でも良いから各局で放送すれば良いと思います。それは学習でもあり、世界平和につながる事でもあると思います。国際理解をすることで、他国と自国の文化の違いが分かり、それぞれの良さを知ることができます。その良さを認めたり、まねしたりすることは、とても大切なことだと思います。

二つ目は、いつでもおもてなしの心を持って人と接することです。それは、外国人だけでなく、同じ日本人に対しても、おもてなしの心を持って接します。おもてなしは、その人自身の心を磨くものでもあり、おもてなしをされた人に幸せと嬉しさをもたらすものとも言えます。これが世界の人々の心にあれば、悲しい事件や戦争は、なくなるはずです。今も世界のどこかで、戦争によって亡くなった人、悲しい思いをしている人がいると思います。その国の人々も、おもてなしの心をお互いに持っていれば、無駄な戦争はなくなると思います。

おもてなしという言葉が、その時だけの流行語で終わるのではなく、人々の心にずっと残ってほしいと思います。「和敬清寂のこころ」で最高のおもてなしをすること。私も何かお手伝いすることはないでしょうか。2020年東京オリンピックの成功を心から願っています。世界中の人々が笑顔で咲きほこる平和な世の中になることを期待して。

 

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住所 福島県郡山市安積町長久保3-18-6

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