桃の話

夏の果実、桃。

福島県を代表するこの果実には古今東西、不思議な力があると考えられていたようです。

《中国》

桃は、昔から邪気を祓い不老長寿を与える植物として親しまれている。桃の実は長寿を示すめでたい果実であり、祝い事の際に食べる、桃の実をかたどった『壽桃』(ショウタオ)というお菓子があります。

《日本》

日本でも中国と同様、古くから桃には邪気を祓う力があると考えられている。三月三日の桃の節句は、桃の加護によって女児の健やかな成長を祈る行事です。
また、民話『桃太郎』は桃から生まれたという出だしで有名ですが、他に「桃を食べた老夫婦が若返って子供を産んだ」・・・という説もあります。

《西洋》

ギリシャ神話に登場する神々の食べ物は〝アムブロシアー〟、神々の飲み物は〝ネクタル〟という。どちらも神のみが口に出来る食物。桃のジュースの〝ピーチネクター〟を思い出しませんか?実は、語源が同じく(神々が常食とする)生命の酒・不老不死の霊薬〝ネクタル〟かららしいです。あの濃厚な口当たりは、神々の飲み物に相応しいかも。いまでも〝ネクター〟は大人気です。

桃源郷

◆よく耳にする桃源郷ってどんな場所?

福島県福島市の『花見山公園』は、写真家・秋山庄太郎氏に「福島に桃源郷あり」と形容されましたが、この『桃源郷』とはどんなところでしょう。
人の辿り着けない理想郷の事で、自然や緑が豊かな土地を連想するようです。語源とも言える『桃花源記』という書物(古代中国の詩人・陶淵明が書いた物語)の中では、〝一面の桃の木々と桃の花が咲き乱れる美しい土地〟と記述されています。
表紙や旅記事のように桃園の中に入り込むと、まるで『桃源郷』に来たように思えませんか?

201408スタイル郡山掲載

201408スタイル郡山掲載