【一杯で3種の香り】

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コーヒーの木には甘い香りの白い花が咲き、果実の多くは赤く甘い。その種子がコーヒー豆。コーヒーチェリーと呼ばれる果実が成熟するまでには約9か月かかる。果肉にはフルーティーな酸味がありフレッシュで爽やか。だからコーヒーにはどこか花のような後味、果実のようにフルーティーな芳香があるのだ。良い香りは味とは別の幸福感をもたらす。

挽きたての香りを“フレグランス”、抽出したコーヒーの香りは“アロマ”、コーヒーを飲んだ後の香りは“ブーケ”だ。良いコーヒーは冷めてもしっかりカップに香りが残る。『珈琲屋』のコーヒーは特に芳醇で、最後の一滴までしっかり香りが立っている。

余程の混雑時を除き、『珈琲屋』では豆の香りを積極的に嗅がせてくれる。専門店ならではのサービスで、滅多に出来ない体験だ。生豆、挽き立て豆の種類により様々。豆本来の個性を感じられる瞬間だ。
時間差で口内に広がる香りや余韻も味わいたい。漫然と消費する時代から選んで嗜む文化へと世界の意識は変わっている。

 

取材協力店 「珈琲屋」