【Power of Music!】“楽都郡山”の音楽シーンを牽引するLIVE HOUSE!CLUB♯9インタビュー

【Power of Music!】
“楽都郡山”の音楽シーンを牽引するLIVE HOUSE!
CLUB♯9インタビュー

GReeeeNも学生時代から出演していた、ライブハウスといえばココ!プロ・アマチュア問わず、ジャンルにとらわれず多くのアーティスト愛されるCLUB#9(シャープナイン)でしょ!
平成から令和にかけて音楽の世界が激変‼これからのライブハウスは?音楽都市宣言・郡山はこれからどうなる?震災、台風、そしてコロナ、数々の危機をパワーオブミュージックで乗り越える!オーナーの福井公伸さんに直撃インタビュー♪

CLUB♯9①

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福井 公伸 氏

仙台の不動産会社で勤務していたところ、郡山営業所長となり転勤を機に郡山へ。その後に観光バス会社へ転職。観光の研修中に個人的に作った「ライブハウスCoversの夢の5年計画」。そのアイディアをCoversの社長に気に入られて、店長を任される。独立して2000年3月にCLUB#9を立ち上げ。

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2009年に駅前のアーケード街にある書店の跡地へ移転。

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2021年12月に元映画館の跡地へ移転してリニューアルオープン。

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Q.CLUB #9をつくろうと思ったきっかけは?

A.ライブハウスCoversの店長をやっていた時の郡山は、プロを呼べる設備があるライブハウスがなかった。ちゃんと演奏できるライブハウスが必要だ!自分でつくろう!と思ったのがきっかけです。オープン前に仙台のMACANA(マカナ)に挨拶に行ったら、大学時代に青森でバンドの活動をしたときのライブハウスのオーナーと再会できた!おかげでバンドのブッキング方法とか、ワンドリンク制とか、ノウハウを全部叩き込んでもらえましたね。

CLUB♯9②

Q.平成〜令和の音楽シーンについてライブハウスとして思うことは?

1      ソロの弾き語りアーティスト主流でバンド不足問題

ライブハウスは今アーティスト不足ですね。今は弾き語りのアーティストが全盛の時代です。ひと昔まえは、駅のあたりにギターケースを抱える高校生がいて、バンドを組んで音楽やっているコがあふれていた。視線をクギ付けにする影響力のあるバンドがいると、やりたい人が増えると思いますね。

2      長引くコロナがバンド活動をストップしてしまう問題

バンド不足は3年も続くコロナのせいで追い打ちをかけられている。バンドメンバーの仕事や生活が変わって活動再開できなくなってしまう。うちで育った福島のカオになるバンドのうち、続いているのは「ひとりぼっち秀吉BAND(ひとりぼっちひできちばんど)」くらいですね。

3      CDが売れない!音楽で成功する夢がなくなった問題

サブスクがあればほとんどの曲が聞けるし、『オススメ』の曲もあっている。CDをリリースしてキャンペーンツアーに出てくれるアーティストも少なくなりました。ネットで人気が出ればアタリはデカいけど、1回再生されても数円しかアーティストに入らず、ミュージシャンも貧乏話をしてしまう。将来なりたい職業のトップ5にロックスターは入っていたのに、20位にも入ってないのは残念です。

Q.震災・台風・コロナ…ピンチを乗り切るパワーの秘密は?

A.続けられたのは運が良かったからですね。震災の時は日本中の人から優しさをもらった。こんな時だからこそ、福島に来るよ!というアーティストもたくさんいました。日本武道館のポールマッカートニーのライブで、福島のために「Yesterday」を歌ってくれた時は涙が出た。まわりの人たちと助け合えたおかげで続けられていた。

けれどコロナのほうがもっと深刻。マスクをしてなければ声も出せないような状況では、ライブハウスへ行こうという人もいない。最初の頃に比べるとだいぶ良くはなってきていますね。いまステージ上ではマスクをとって演奏して大丈夫になっているので。観客側の感染もそれほど出ていないです。

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Q. 郡山が輩出したアーティストGReeeeNとの絆・印象に残っている思い出は?

A.震災の時に、息子が通っていた赤木小学校の4年3組のクラス歌「風のように雲のように」を、大和田さんに聴いてほしくてラジオ福島に送ったんです。ちょうどビッグパレットで炊き出しをしていた最中に、HIDEくんからのメールでオンエアされたのを知りました。それが縁でアナウンサー大和田新さんと知り合うことができて、みんなで飲みにいったこともある。大和田さんからいわきで亡くなったGReeeeNファンの男子高校生の存在を教えてもらって、彼の両親にサインを贈ることもできた。GReeeeNをきっかけにした人との縁は数えきれないですね。

Q.GReeeeNのライブの魅力は?

A.GReeeeNのコンサートはビデオとダンサーのみで、実際には本人たちに会うことはできない。だけど、アニメーションでいろいろ変身できるし、ちゃんとストーリーがあって笑わせてくれたり、泣かせてくれたりする。普通のライブみたいに、地域性に合わせたセットリストや、会場との掛け合いはできないけど、ほかの誰にもマネできないオリジナルを確立していると思います。

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Q.楽都・郡山 音楽文化を広めて「楽都度」を高めていくには?

A.音楽をやっている演者だけじゃなくて、聴く観客が大事。客の耳が肥えていると、バンドの腕も上がるし。特にビジュアル系は演奏も歌も上手くないとファンが納得しないよ。ネット配信ではなく、生の音、ライブ会場の爆音を体感してほしいね!

Q.2030年へ向けて!CLUB#9が次の10年で実現したいことは?

A.郡山はアクセスがいい。そういう地の利を生かして、まだ埋もれている福島の才能あるアーティストを発掘して指導したい。俺は育てたと思っていないけど、「Greeenの産みの親」って言われることもあるしね。K-POPブームでBTSを見ていても技術がしっかりしています。小学生くらいからタレント性のある子どものためのスクールを開いて、福島から世界に通用するアーティスト輩出したい!震災や原発事故から復興していったことは海外の人たちにも知られている。福島だからこそできることがある。

Q.Style郡山の読者に伝えたいことは?

A.年齢の高い人ほど、昔から好きだった音楽しか聴かないです。スマートスピーカーでどこにいても音楽をかけられるけど、受け身になってしまっている。自分のプレイリストにとどまらないで、音楽との出会いを求めてほしい。サブスクで新しい音楽に出会いやすい時代だからこそ、聴くほうにも「自分なりの音楽スタイル」を作って、『音楽のまち郡山』を仕上げてほしい。そしてライブハウスで新たなミュージシャンと出会ってほしいですね。

Q.福井さんが最近気になっているミュージシャンは?

A.どこで知ったかも思い出せないほど偶然に出会った、スウェーデンのオーレ・ブールードと呼ばれているアンドレアス・アレマン。デスメタルバンドでボーカルをやっていたのに、どこか久保田利伸を感じる。地元のアーティストだと、テレビ番組の撮影できた須賀川のバンドglassmond(グラスモンド)はおすすめですね!