『ウイルス性皮膚疾患について』その①

今回は発症頻度の高い、ウイルス性皮膚疾患を取り上げてみます。

手足口病は文字通り手足口に水疱を作る疾患で、コクサッキーウイルスA16とエンテロウイルス71の2種がおもな原因ウイルスです。

これらのウイルスは夏季に流行しやすく、潜伏期は2~6日と短く、5歳以下の発症が圧倒的です。感染経路は飛沫・接触・糞口で、原因ウイルスは発症後も3~4週間糞便中に排泄されるので、この時期は回復後の患者さんも感染力をもっています。

有効な治療法はありませんが、近年の判断では、ほかの子どもさんへの感染のおそれだけで登園・登校を停止する必要はないということになっています。稀に中枢神経系の合併症が報告されていますので、注意は必要です。

 

手洗い

伝染性紅斑は「りんご病」で知られていますが、原因はヒトパルボウイルスB19です。このウイルスは飛沫感染で学童に流行することが多く、感染してから7~11日後にウイルス血症を起こします。

発疹は両頬にりんご病といわれる所以の赤みと、四肢にも網目状の赤みがでます。発疹は感染後14~18日後で、このときには感染力はもうありません。発疹が出たときには登園・登校を停止させる必要はないのです。

予防的措置が困難なかぎり、実際には医師より現場の施設の判断で決められています。共通の処置としては、流行がみられる場合には患者さんには手洗い、うがいを励行させることで予防につとめる以外にないと思われます。

doctor haruyama

先生のプロフィール

春山秀城(はるやまひでき)先生

金透小学校、 第1中学校、 安積高校、 福島医大
福島医大皮膚科、 太田綜合病院、 春山ひふ科

♪趣味

ギター(郡山マンドリンアンサンブル)
オーボエ(アマデウス室内管弦楽団、郡山市民オーケストラ)