学習指導のプロに聞く!勉強の遅れ・親の不安を解決!【Style郡山インタビュー】

学習の遅れにより、受験生はもちろん、受験生以外にとっても今までの環境が変化していることで、不安に思う生徒・保護者さんも多いと思います。そこで今回は、これまでに数多くの生徒と接し、学習塾での指導経験が豊富なスタディー・フィールドグループの橋本先生に、気になる質問をインタビューしました!

今回お話を伺ったのは、

スタディー・フィールドグループ
福島地区 統括部長 橋本 紘樹 先生

学習指導のプロに聞く!勉強の遅れ・親の不安を解決!

プロフィール

福島県や宮城県、山形県で生徒を指導し、地域のトップ高校や難関大学に多数の合格者を輩出する。授業は数学と社会を担当し、塾講師歴15年間で指導してきた生徒数は3000人以上。多彩な経験をベースに圧倒的話術で展開される授業や面談は、受験生のみならず保護者からも大人気。

学習の遅れを取り戻すために大切なことは?

今後学校での学習の遅れに対しては、行政の方でも対策を考えていくと思いますが、仮に休校になった分すべての振替授業ができない場合は、必要最低限の内容しか扱うことができなくなる可能性があります。そうなることで、授業内での演習量が減り、学習の定着度の部分で例年よりも遅れが出てくるかもしれません。特に、これから受験を控えている高3生や中3生にとって、これはとても大きな問題になります。それを踏まえると、家庭での演習量をいかに増やすことが出来るかが重要になってきます。しかし、ただ闇雲に勉強をしても生徒にとって本当に必要な学習なのかどうか疑問が残ります。そこで必要になるのが、「学習計画」を立てるということです。その際に次のことに注意しながら計画を作成するとより効果的ですので、ぜひ参考にしてください。

学習計画の立て方

1、現状学力と最終目標を明確にしたうえで計画する。
2、「いつ・何を・どこまで」を具体的に決めておく。
3、学習の質をキープできる無理のない学習量を計画する。
4、1週間単位で計画&実行をし、週末は1週間分の復習&予備日に設定する。
5、ノルマ・期日や進行状況を「見える化」して常に意識する。
6、最初から完璧な計画は狙わず、実行しながら軌道修正する。

計画をする際に役に立つのがダイアリーノートです。こちらは実際に通塾している高2生が中3生時に書いていたものです。今まで行き当たりばったりだった学習が改善されたことで、成績が大幅に向上し見事志望校に合格することが出来ました。

ダイアリーノート

子供の学力を伸ばすために親ができることは?

成績が上がりやすい生徒の共通点は、保護者から勉強をしなさいと言われないということです。また、成績が上がらない生徒の共通点は、保護者から勉強しなさいとよく言われていることです。そもそも無理やりやらせた勉強に効果は見込めません。また、勉強しなさいと言ってやるぐらいならそもそも自分から学習に向き合っているはずです。

子どもは親からの指摘があるとそれに理由をつけて、勉強しない責任を親に押し付ける傾向があります。「今やろうと思ったのに、やる気がなくなった」というセリフを聞いたことがある親御さんは多いのではないでしょうか。

そのため、普段私が保護者の方にお願いしていることは、物事を自己責任で生徒自身に決めさせるようにしていただくことです。つまり、1日のスケジュールを自分で決めさせます。そうすることで、なおさらゲームやテレビなどの時間が増えて勉強しなくなり、成績が下がってしまうと不安に感じると思いますが、まさにそれが狙いです。成績が上がるのも下がるのも、自分の目標としている高校や大学に合格するも不合格になるもすべては自己責任です。もし仮に、子どもが高校生になっても学習のスケジュール管理を親御さんが行う自信があるのであればいいのですが、そうでないのならば、中学生になるタイミングである程度突き放すことも必要になります。つまり、親御さんが子どもから自立する必要があります。ただし、全くの無関心というわけではなく、それと同時に子ども自身の自尊心が芽生える声掛けを継続的にかけ続ける必要があると考えています。

学習指導のプロに聞く!勉強の遅れ・親の不安を解決!

人は自己評価までしか自分の能力を高めることは出来ません。したがって、子ども自身が努力すればもっと実力を伸ばせると感じるような関わり方が重要になります。そのスタートとして、まずは常に前向きな言葉をかけ続けることを心がけてください。子どもが自分に否定的な言葉を発したり、自信を失っているような態度を見せたりしたときに、逆説の接続詞を使って励ますのがおすすめです。普段、「だけど」や「でも」などの逆説の接続詞は子どもを注意するときに使っている親御さんが圧倒的に多いはずですが、それでは子どもの自尊心は育ちません。以下に、生徒がよく発するマイナス発言に対して私がどのような言葉で対応しているかの一例をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

自信を失っている生徒への接し方

登場人物:生徒(A)、私
場面設定:勉強しても無駄だと生徒が自信を失ってしまっている

A・・・どうせ勉強しても、成績なんて上がらないし。

私・・・そうかな。だけど、Aなら勉強を重ねれば必ず成績が上がると思っているよ。だって、授業中の様子を見てるけど、教えたことはしっかり理解しているじゃん。

A・・・そうですけど、テストの結果はなかなか良くならないし・・・

私・・・でも、すぐ結果が出るようなら、Aもそうだけど周りのみんなも勉強に苦労していないんじゃない?今成績がいい子でも、入塾当初はなかなか結果が出なくてAのように自信を失っていた子がたくさんいたよ。でも、みんな今は楽しそうに塾に通ってるでしょ。

A・・・周りは、もともと頭がよかったんじゃないですか?

私・・・確かに生まれつきの天才はいるよね。でも、今まで3000人以上の生徒を見てきて、天才に出会ったのは一人だけだよ。東大に行った生徒や医学部に行った生徒だって、時には結果が思い通りに出なくて悔し泣きしてたこともあったんだから。それに、先生とAはどちらが受験のプロなの?

A・・・先生です・・・

私・・・だよな。だから、そのプロがAの成績は必ず上がるって言ってるんだから、Aは先生と自分のどっちを信じるの?

A・・・先生です。

私・・・結果は出ないときには不安もあるけど、先生はAのことを信じ続けるから、Aも先生を信じて一緒に頑張ろう?

A・・・わかりました!

子供がいうことを聞かないのでどうしたらいいですか?

年頃の子どもが親の言うことを聞かなくなってきたということは自我が芽生えている証拠です。したがって、決して悪いことだけではありません。また、保護者の方からすれば親の言うことを聞いて当たり前というふうに思っているのであれば、自分が同じ年頃に親に対してどんな感情を持っていたか思い出してみてください。きっと表向きには言うことを聞いているようにみせて、内心はそれとは逆のことを感じていた経験があるのではないでしょうか。

とはいえ、保護者の方にとって目に余る行動があるとそれを指摘しないわけにはいきません。しかし、子どもは親からの指摘が正論であればあるほど、それに対して反発するものです。よって、何かの行動を変化させたいときは、保護者の希望のみを伝えるのではなく、いくつかの選択肢を提示しその中から子ども自身にどうするかを決めさせることで反発は軽減できると思います。また、子どもの性別によって言葉がけの仕方は変化させる必要があります。

学習指導のプロに聞く!勉強の遅れ・親の不安を解決!

男子は結果を重視する傾向が強いため、期日までに宿題や課題が終わればいいと考え、計画的に物事を進めるのが苦手です。また、女子はそれとは真逆で、結果までのプロセスを重要視する傾向が強いため計画的に学習することに長けていますが、その分自分の勉強の仕方に固執してしまい非効率的な学習になってしまうリスクが出てきます。

それを踏まえると、子どもにいうことを聞かせたい場合は、男子と女子のそれぞれの長所をほめてあげるという視点が必要になります。全員に当てはまるわけではありませんが、私が生徒の行動を改めさせる場合は以下のような声掛けを行っています。

ケース①
登場人物:中学生の男子(B)、私、○○先生(教室スタッフ)
場面設定:成績は上がっているが学校や塾の課題が計画的にできていない

私・・・前回のテストすごく頑張ったね!本当に感動したよ!Bなら絶対に結果を出してくれるって信じてたから!だけど、○○先生から聞いたけど、なかなか課題が予定通り進んでないんだって。何が原因なの?

B・・・部活が忙しかったり、家ではなかなかやる気が起きなかったりで・・・(言い訳)

私・・・そうだよね。今の時期は忙しいよな。でも、これだけ忙しい中で成績が上がったんだから、もっと計画的に勉強したら、学年トップも夢じゃないんじゃない。先生は、Bの力はまだこんなもんじゃないって思ってるよ。もっと自分に自信を持って上を目指せ!信じてるよ。

今回のケースのポイントは、ほめながら問題点を指摘するということです。ここで課題ができていない事実だけを指摘すると、その瞬間に子どもは心を閉ざします。最初にいいところを指摘してもらうことで、子どもは先生に信頼してもらっているという安心感を得られ、相手の話を聞く準備をします。そして、最終的に短所を克服することでどういった未来が待っているかを具体的に提示してあげ、行動を改めるメリットを子ども自身に認識させます。
次に、私が女子の行動を改めさせたいときには以下のような声掛けを行っています。

ケース②
登場人物:中学生の女子(C)、私
場面設定:テスト勉強をいつもより頑張ったが、思ってような結果が出なかった

C・・・今回のテストの結果あまりよくありませんでした・・・今回のテストは自信があったのに、正直どうしたらいいか分かりません。

私・・・そうだね、あんなに頑張ったのに悔しいよね。でも、今回結果は出なかったけど、あれだけ勉強できるのはCの才能の一つだよ。誰もができないことをCは普通にできるんだから、もっと自分をほめてあげてもいいんじゃない?もしかしたら、今回は学校ワークを中心に勉強したんじゃないかな?

C・・・そうです。いつもは学校ワーク中心に問題が出されるから、今回も同じように勉強しました。

私・・・そうなんだね。でも、Cの勉強の仕方は決して間違ってないよ。ただし、さらに点数を上げるためには一つの教材だけじゃなくて、幅広い問題に触れる必要があるよね。特に今回の数学は応用問題は教科書の章の問題Bから出題されてたでしょ。だから、次回はそういった問題もしっかり勉強していけば、必ず結果が出るから自信を持って!!勉強の仕方の大枠は変えずに細かなところを詰めていくだけだから、次回は絶対結果が出ると信じてるよ!

今回のケースのポイントは、生徒の勉強の仕方をまずは強く肯定してあげることです。特に真面目な女子ほど、今までの行動を否定されると強く反発するか自信を失ってしまいます。肯定をすることで安心感を与え、その上で修正点を提示してあげることで素直に意見を受けとめてもらえます。男子以上に女子は自分を責めてしまう傾向が強いですから、常に肯定的な言葉で接する必要があります。

塾に行かずに学力を伸ばせますか?

塾に通わなくても当然学力を伸ばすことはできます。実際に通塾せずに優秀な成績を収めている生徒は身近な場所でも一定数いるはずです。また、その逆で通塾したからといって必ず学力が上がるわけでもありません。なぜなら、塾に通塾した場合でも、それ以上に学校での学習時間や家庭にいる時間の方が圧倒的に長いからです。つまり、その時間をどう使うかで結果の差が生まれてきます。しかし、ただ長い時間勉強すれば成績が上がるわけではないのも事実です。

学習指導のプロに聞く!勉強の遅れ・親の不安を解決!

大切なことは、正しい勉強法で正しい分量の学習を正しいタイミングですることができるかどうかです。先ほども話しましたが、定期試験や入試の出題形式に合わせて計画的に学習する。そのためには、子どもの現在の学力に合わせた問題を取捨選択し、それをいつまでに実行するかを考える必要があります。これは、子ども自身ができれば理想ですが、なかなか難しいのが現実です。

通塾している生徒は、この作業を塾側が行いますが、通塾しない場合は保護者の方がかわりにこの作業をサポートしてあげる必要があります。その際に、基準となる指標が必要になりますので、通塾していない場合でも外部模試は積極的に受験させるようにしてください。模試の結果を見ることで、目標までのギャップや苦手な教科や単元が分かり、そして、学習の優先順位が見えてきます。模試のみの受験を認めている塾もたくさんありますので、ぜひ積極的に活用してみてください。

通塾のメリットは?

塾によって指導方法は様々ですし、授業時間や料金も様々です。したがって、今回は我々の教室に通塾していただくメリットをご紹介させていただきます。

私が常日頃から心がけていることは、社会で活躍する人財を輩出するという目標を持ち実践していくということです。これは、生徒だけではなく一緒に働く学生アルバイトへも同じ気持ちで接しています。我々との出会いが、将来のその人にとって貴重な時間であったと感じていただけるように努力しているつもりです。

学習指導のプロに聞く!勉強の遅れ・親の不安を解決!

今現在社会に求められている力は学力だけではありません。これから益々社会全体でAI化が進み、我々の生活様式は大きな転換期を迎えていきます。そんな中、AIではできないことを我々人間に求められる世の中がそう遠くない未来にやってくるはずです。それは、数学の公式のように決まった手順で解くことができない問題だと思います。よって、そういった変化に対応するための様々な武器(能力)をその人自身が持つ必要があると考えています。

例えば、我々が指導に取り入れているダイアリーノートは、「主体性」・「実行力」・「計画力」・「創造力」・「情況把握力」・「柔軟性」などを養成することに役立ちます。また、日頃から授業時間以外での生徒や講師との会話を大切にすることで、「発信力」・「傾聴力」・「コミュニケーション力」など様々な力を養成することを意識して行っています。さらに、社会的なルールを身につけるためのしつけや、自分本位ではなく誰かのために力を発揮する心を持つ重要性なども普段から生徒へ伝えています。

つまり、勉強(学力)は生きていく上での道具の一つにしか過ぎず、それをどう使って社会の役に立っていくかを考えることができる人柄を育てていくことが最も大切なことだと思います。誰もが平等に幸せになる権利があるのと同じように、誰もが平等に努力し自分自身を高めていくチャンスがあるはずです。そういった、自分を高める場を提供することが私の使命ですし、そういった場で仲間と一緒に自分の可能性を無限に広げることが出来ることが、我々の教室に通塾していただくメリットだと考えています。

学習指導のプロに聞く!勉強の遅れ・親の不安を解決!

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