郡山の音楽史 ～何で「楽都郡山」って言うんだっけ？～ 百万人の大合唱 昭和編 Vol.1
郡山の音楽史 ～何で「楽都郡山」って言うんだっけ？～ 昭和編 Vol.1
郡山市といえば、イメージキャラクターは「がくとくん」。市内の学校ではどこも音楽が盛んで、合唱・合奏コンクールでは多くの賞を受賞し、全国コンクールにもたびたび出場。
2008 年に「音楽都市」を宣言し、以来『楽都』郡山として音楽が盛んなイメージですが、そんな郡山市を音楽の面から見つめると、驚きの歴史が。
『日本初のロックフェス』とも呼ばれるイベントは1974 年に行われた伝説のロック・フェスティバルですが、その会場はなんと…郡山市！
70年頃、アメリカでのフェス『ウッドストック』が開催され、それに倣って日本でもフェスを！という動きが始まりました。
数日に渡って開催され、今でも伝説となっているこのイベントはどのようにして開催されたのでしょうか？
かつては「東北のシカゴ」とまで呼ばれた郡山市が、「東北のウィーン」を目指し、現在のように音楽が身近な存在になるまでを紹介します！
ガイド：シンガーソングライター MANAMI さん
「さあ、郡山の音楽史を調べてみよう！」
ワンステップフェスティバルの会場となった開成山陸上競技場
年表
１９４９年（昭和24年）
郡山音楽協会が発足。女性合唱団や男性合唱団が結成され、市民の音楽活動が活発に行われていた。
１９５４年（昭和29年）
国鉄郡山工場大食堂で「ＮＨＫ交響楽団郡山公演」が開催される。
１９５８年（昭和33年）
市民会館ができる。
１９６９年（昭和44年）
8/15～8/17の3日間にわたってアメリカで「ウッドストック・フェスティバル」が開催される。
１９７２年（昭和47年）
「百万人の大合唱」が映画化。（郡山市がモデル）
１９７４年（昭和49年）
市制施行50周年。日本で初めてのロックフェスティバル『ワンステップフェスティバル』が開催された。
「東北のシカゴ」時代
明治〜戦前にかけて商工業都市として急激に発展し、他地方からの流入が増えた郡山市では暴力団抗争が相次いで起こることから、治安の悪い街「東北のシカゴ」という不名誉な異名が広がった。その一方で、音楽が市民の心の拠り所となっていった。
①新築された市民会館
②昭和33年 文化の殿堂「市民会館」「図書館」が建設される
③ウィーン少年合唱団（昭和34年3月3日）市民会館
④金透小学生器楽演奏（昭和37・38年全国コンクールにおいて最優秀校に選ばれた。記念館前にて）
⑤昭和39年 「20万人コーラス」運動始まる
⑥昭和41年 「20万人コーラス」
⑦郡山市民交響楽団の練習風景
※①～⑦写真 郡山市歴史資料館 提供
映画「百万人の大合唱」って？
昭和30年代に福島県郡山市であった実話を元にして作られた日本映画。
暴力団の抗争が絶えない事から「東北のシカゴ」と呼ばれた昭和30年代の郡山市を舞台に、暴力団による妨害や恫喝に悩まされながらも、自分たちが思い描く音楽会を郡山市で開こうと奮闘する人々を描いた作品。オールロケーションで制作され、多くの市民がエキストラなどで参加した。
会場となった市民会館のほか、安積高校、駅前アーケード商店街や中町、さくら通り、秋の大祭礼（安積国造神社）、70年代のファッション、郡山弁など、今では失われた当時の街の様子を今に残す記録映画としても貴重な作品。
「一発の銃弾は一人の命を奪う。一節のメロディーは百万人の心を奪う。」山本直純
♪出演 若林豪
酒井和歌子
峰岸隆之介
(峰岸徹）
フラワー・メグ
吉田拓郎 ほか
♪音楽総指揮 山本直純
♪監督 須川栄三
♪製作 近代放映株式会社
♪配給 東宝
♪協力 郡山市
♪96分 カラー
MANAMIさん《映画鑑賞の感想》
（暴力団に音楽で立ち向かうというのは）今の時代では考えられないですが、『歌の力で何かを変えよう』というのは今に通じるものがあって、音楽の力ってすごいと思いました。街並みも、「ここ○○かな？」と思うようなシーンがあって興味深かったです。
コロナ禍の今、みんなで歌うという事が難しいですけれど、「“楽都”郡山」のあるべき姿というか、こうあるべきという姿を見て勉強になりました。
続きはこちら↓